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第10章 盗賊髭切の正体

　すべての話を聞き終えた後、継母は頷いた。
―あなたを信じましょう。それに、あなたの話を聞いた限りでは、その小平太とやらが根っからの悪者とは思えませぬ。私も薫子と気持ちは同じです。仮に小平太が髭切だったのだとしても、そこまでのことをするからには何かしらの事情があったはずでしょうね。もしかしたら、彼の生い立ちなども関係しているのかもしれません。