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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 そして、更にこんなことも言った。
―少し前だったかしら、大姫がまた夢に出てきたのです。今度は前と違って何も話さなかったけれど、にこにこと笑って、とても嬉しそうでした。きっと、あなたと私が睦まじく過ごすようになり、あの子も安堵してくれたのでしょうね。これでもう、あの娘も迷わず御仏の国で安らかに眠ることができるわね。
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