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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
「明後日、矢文をまた清涼殿に射るとか言ってたな。その矢文にお宝はここにあるとご丁寧に教えてやるってえ寸法なのさ」
「それで、その前にこれまで盗んだお宝を皆に分け前として与えるのか?」
 今度は少し野太い別の男の声。
「そういうことだな、明日の晩だとよ」
 また、最初の男だ。
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