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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 天下の神器を盗みおおせたからには、大切なものは大切なものの側へ置くと考えたのだった。
 薫子は勾玉を元どおり布にくるみ、懐にしまった。今は昼を回ったくらいの時間だろうから、これからまだかなりの時間をここで費やさなければならない。
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