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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 いきなり手を掴まれ、強い力でその場に引き倒され、薫子は悲鳴を上げた。先刻の男がその上に馬乗りになる。
「大人しくしてりゃア、五人がかりで何度でもこの世の法悦を見せてやるよ」
「いや、止めて。いやーっ」
 男の手が薫子の胸を嫌らしく揉んだ時、小平太が叫んだ。
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