この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私は犬
第3章 【第1章】帰国
家の中に足を踏み入れると、去年お伺いした時とほとんど変わっていなくて、記憶とたいして違わない風景にホッと心が安らぐ



おば様に促されるままにテラスに面した応接室へと足を運ぶ。


いかにもおば様らしい、薄いモスグリーンを基調にしてマホガニーの家具たちで整えられた、少しだけ地味めだけれどもロココ調を思わせる室内には、たくさんの胡蝶蘭が所狭しと飾られていて


それらを目にしたとたん「お花がたくさんあるわ!」と、思わず口に出てしまう。



すると、「廣徳(ひろのり)の結婚がやっと決まってね、皆様がお祝いに下さったの。まだまだあるのよ。今からでもお花屋さんが開けるわ」


とおば様は嬉しそうに微笑まれる。


「そうね、胡蝶蘭しか無いお花屋さんなんてユニークね。きっと流行るわ」


と言葉を返すと、なんだか愉快な気持ちになってきて、思わず二人で顔を見合せて、クスクスと笑いあった。


いけない!お祝いの言葉をのべなくては!慌てて「お兄さまのご結婚おめでとうございます。私も嬉しいわ、自分のことみたい」


とお伝えしたけれど、これで良かったかしら?


やがて、お手伝いの幸江さんがお茶を運んで来て下さった。頂きながらお喋りは続く


「廣徳は結婚して出て行ってしまうし、弟の孝徳(たかのり)はお仕事であまり帰ってこないし。真子ちゃんが来てくれて、本当に良かったわ」


と、仰っていただけて、ちょっぴり照れくさかったけれど、


「この際だから、客間ではなくて、お2階にきちんと真子ちゃんのお部屋を用意しようと思うの。でね、家具なんかも、好きなものを選んで欲しいのよ」


と言いながら、大量の資料を広げ始めたのを見てびっくりした。だって、そんな事を考えたことも無かったんだもの
/637ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ