この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私は犬
第16章 人並みになりたい*
月曜日。
立ち振舞いを練習したおかげか、何とかおば様には気付かれる事なく週末を乗り切ったものの、椅子に座る時の痛さは誤魔化しきれない。
あの後は散々だったわ。股に何かがハマっているような感覚と微量の出血が続いて。今だって……。
そんな事を考えながら、机についた両手に体重をかけながら、慎重に恐る恐る着座する。やっぱりまだジーンと痛い……。これは全部あの人のせいよっ…。と音羽さんをチラ見すると、こちらをじっと見つめていて目が合った。
早く外回りに行けばいいのに…。シッシッ。そんな鬱憤を目に込めなが強く見つめてみた。うん。なかなかいい気分よ。
「九宝さんっ。」
と呼ばれて、慌てて声の方向へ顔を向けると。前席の笹木さんだった。怒ったような目でこちらを見ている。返事を返そうとしたとたん目線を外された…。一応、お返事するべきよね?
「どうされました?笹木さん?」
「…何でもないです……。」
何でも無いって…。ああ…。嫌な予感がするわ。
右席の池ノ内さん、前席の笹木さん。2人に挟まれてこれ、どう立ち回ればいいの?オセロで角を取られた気分だわ…。
こういう時は、そうよっ!気分転換にちょっと逃げよう!。と思いつき、そそくさと逃げ出した。
向かった先は化粧室の個室。向かって右側の一番奥が指定席。念のため、持参した除菌シートで取っ手や座面を拭いてから座る。なんかね…。これをしないと落ち着かないの。専用個室が欲しい…。
立ち振舞いを練習したおかげか、何とかおば様には気付かれる事なく週末を乗り切ったものの、椅子に座る時の痛さは誤魔化しきれない。
あの後は散々だったわ。股に何かがハマっているような感覚と微量の出血が続いて。今だって……。
そんな事を考えながら、机についた両手に体重をかけながら、慎重に恐る恐る着座する。やっぱりまだジーンと痛い……。これは全部あの人のせいよっ…。と音羽さんをチラ見すると、こちらをじっと見つめていて目が合った。
早く外回りに行けばいいのに…。シッシッ。そんな鬱憤を目に込めなが強く見つめてみた。うん。なかなかいい気分よ。
「九宝さんっ。」
と呼ばれて、慌てて声の方向へ顔を向けると。前席の笹木さんだった。怒ったような目でこちらを見ている。返事を返そうとしたとたん目線を外された…。一応、お返事するべきよね?
「どうされました?笹木さん?」
「…何でもないです……。」
何でも無いって…。ああ…。嫌な予感がするわ。
右席の池ノ内さん、前席の笹木さん。2人に挟まれてこれ、どう立ち回ればいいの?オセロで角を取られた気分だわ…。
こういう時は、そうよっ!気分転換にちょっと逃げよう!。と思いつき、そそくさと逃げ出した。
向かった先は化粧室の個室。向かって右側の一番奥が指定席。念のため、持参した除菌シートで取っ手や座面を拭いてから座る。なんかね…。これをしないと落ち着かないの。専用個室が欲しい…。