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私は犬
第17章 契約
※章題が思い浮かばず、頭がハゲそうなので思い付くまでとりあえず数字にしておきます。
※※※※※※※※
「あんた、よくそんなごちゃごちゃの文字が読めるわね。何語なのよそれ。ほーんと、感心しちゃうわ。今度はなんの計算してんのよ。狙い目の優良株があるなら、内緒にしてないで白状なさいっ!」
剛ちゃんは、いつものように後ろから髪をあれこれ引っ張りあげながら、私の手元の手帳を覗きこんでそう言うけれど。剛ちゃんのお靴のセンスの方が、よっぽど感心しちゃうわよ。
『見てみて、買っちゃった。うふ。』
と、さっき見せられたのは、パンキッシュでクレイジーとしか言い様のない、大小さまざまな鋲だらけの黒いハイヒールで。『痛ででででっ!』と大声で叫ぶから見てみたら、長い鋲が足に刺さったみたいで、座りながら真新しい傷口を覗きこんで顔をしかめていた。
歩くたびに『痛ででっ!痛でっ!』とうるさいから、『お靴を脱げば問題は解決するわよ。』と教えてあげたのに、絶対に嫌だと言い張るの。もう好きにすれば?
今日は本契約の日。19時頃に家まで来るって言ってたわ。何だか気が進まない…。ちゃっちゃと終わらせてお引き取り願おう。
あの人に、何と思われても構わないし、どうせならさっさと関係を解消したい。
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「あんた、よくそんなごちゃごちゃの文字が読めるわね。何語なのよそれ。ほーんと、感心しちゃうわ。今度はなんの計算してんのよ。狙い目の優良株があるなら、内緒にしてないで白状なさいっ!」
剛ちゃんは、いつものように後ろから髪をあれこれ引っ張りあげながら、私の手元の手帳を覗きこんでそう言うけれど。剛ちゃんのお靴のセンスの方が、よっぽど感心しちゃうわよ。
『見てみて、買っちゃった。うふ。』
と、さっき見せられたのは、パンキッシュでクレイジーとしか言い様のない、大小さまざまな鋲だらけの黒いハイヒールで。『痛ででででっ!』と大声で叫ぶから見てみたら、長い鋲が足に刺さったみたいで、座りながら真新しい傷口を覗きこんで顔をしかめていた。
歩くたびに『痛ででっ!痛でっ!』とうるさいから、『お靴を脱げば問題は解決するわよ。』と教えてあげたのに、絶対に嫌だと言い張るの。もう好きにすれば?
今日は本契約の日。19時頃に家まで来るって言ってたわ。何だか気が進まない…。ちゃっちゃと終わらせてお引き取り願おう。
あの人に、何と思われても構わないし、どうせならさっさと関係を解消したい。