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第18章 残り４９回です＊

そういえば、この騒動はいったい何だというの？理由が知りたくて、先ほどオフィスで耳にした言葉達をゆっくり思い出す。

ふむふむ…。何となく分かったわ。つまり、これは…。

朝一番で上層部からお達しが来て、我が社が関与する某国からの輸入品のうち、食品に小麦粉を使用した品、全ての取引の停止と、その回収が命じられたと。

小麦の新たな輸入先の確保と、某国産小麦の在庫の処分を命じられた人達もいるようで。それじゃ、てんやわんやになるわね。

日曜日には休日にも関わらず、主要な役職の方々に、通達が回っていとか。おかげで休日が潰れたと誰かがボヤいて、俺なんか昨夜から寝てないよ…。と嘆く人もいた。

迅速に小麦を確保しないと、きっと大変な事になるわ。系列配下には国内シェアの６割を担う製粉会社がある。食品会社や外食系列の企業も。おまけに小麦は我社が輸入している。

普段の主な小麦の輸入先である国では、今年は小麦の生育が例年より遅く、この分では全滅だと。

その国の政府の役人を身内に持つ友達が、寄宿舎の同級生全員の12人が利用している、秘密の専用SNSにそう書いていた。

尚紅が、小麦と言えば、某国の小麦から未知の有害物質が検出されたものの、国がその隠蔽に躍起になっている事、事態は深刻で本土では死者も出ている事、世界中に公になるのも時間の問題だと、父が誰かと話しているのを聞いたと。そう書いていた。

土曜日に、我社、きっと音羽さんが少なからず関与しているであろう、例のパンケーキ屋の一件で、この話題を思い出して、大急ぎで孝徳さんに告げたけれども。間に合ったのかしら？

今年の小麦は価格が大高騰するわ。この件が世界中に知れる前に、早急に手を打たなければ。何十億、被害者が出ればもっと。とにかく莫大な損害を被ってしまう。

あ、そうだ。あの株売っちゃおう。手帳にちゃんとメモしとかなくちゃ。また忘れちゃう。


※未知の有害物質、不作話は妄想です