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私は犬
第19章 任務遂行致します
音羽さんの留守中は、普段は緩く波打っている髪が真っ直ぐで。睫毛も心なしか少なくなって。角膜というか、瞳孔も小さく見えて、まるで別人だったのにっ!

「留守中の、マメな状況報告もありがとう。おかげでミスを未然に防げた。急を要する案件が無ければ、溜まった仕事を片付けたいのだが。何かあるか?」

「急ぐ物はありません。留守中、重要と思われるうちの幾つかは、長沢さんと野口さんにお渡ししましたので、ご確認下さい。」

と、目の前で繰り広げられているやり取りに、目を奪われて仕事にならない。ここは……。手でも洗って、仕切り直すべきよね…。

そう思って、化粧室へと向かった。手を丹念に洗って個室に隠れる。クリームを塗って手袋を変えて。少し落ち着いたみたい…。自動出水じゃなかったら手さえ洗えないわ。内緒だけど、私の定位置だけ、ソープと水圧と水質が違うのよ。洗面ボウルはもちろん光触媒。

お掃除の人が使ってくれる洗剤だって違うの。だからあそこだけは大丈夫。

心を落ち着けながら手帳にあれこれ記入していると、女性の声がした。この声、知ってるわ。同じオフィスの誰だっけ…。

「見た?鮎川さん。あそこまで豹変するとえげつないよね。」

「いくら主任が好きだからって、ババアが張り切ってウザいわ。あの格好みた?」

「アラフォー婆がリエンダとかキモいよねっ!自分を何歳だと思ってんのかな?」

「マジ?35過ぎ?あり得ない!婆は婆らしい格好すればいいのに。」

「確か33歳だよ。四捨五入すればアラフォー。主任と結婚できるとでも思ってんのかな。引くわ。」

知らなかった…。鮎川さん、音羽さんが好きなんだ…。

「四捨五入の意味違うし。それ、そろそろ本腰入れないとヤバい歳だよね。でもちょっと無理っぽくない?主任、プリンストンの院卒だよ?飛び級したから皆は気付いてないけど。」

「マジっ?なにそれっ!何で知ってんのっ?」

「絶対内緒にしてね。ここだけの話、人事にちょっとね…。アメリカ支社の現地採用だったけど、何故か本社に来たんだって。」

「うわぁ。訳ありっぽい…。」
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