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私は犬
第22章 新しい人
支度を整えるためにクローゼットへ入る。下着を出そうとチェストを開けたら、後ろから有史さんの声がした。また、こんな所まで着いてきてる!邪魔っ!
「これ、使っていい?」
何だろうと振り返ると、手には例の、渡しそびれた《お仕立て券》の包みを持っていた。そもそも、有史さんの為に用意したのだから、どう使おうと構わないのに。それより、よく見付けたわね。どこにしまったかなんて、すっかり忘れていたのに。
「どうぞ。お好きになさって。」
「分かった。有り難う。」
スーツでも新しく作るのかしら?そろそろ夏だし、衣替えのシーズンよね。剛ちゃんも張り切ってたし。
木曜日
普段より少し早めに退社して、おば様と待ち合わせる為にホテルの1室へ向かう。今日は剛ちゃんも一緒に3人でオペラを観る予定。
「ほら。早く座って。ちゃっちゃと支度しちゃうわよ。」
良かった…。今日の剛ちゃんは割りとまともに見える。青紫系のパンツに黒いシャツ。ベストはパンツと同系色で、スワロフスキーの刺繍がついてる。多分、これはアルマーニね。この前、パレ・ド・トーキョーで見たコレクションのと似ているもの。
「これ、使っていい?」
何だろうと振り返ると、手には例の、渡しそびれた《お仕立て券》の包みを持っていた。そもそも、有史さんの為に用意したのだから、どう使おうと構わないのに。それより、よく見付けたわね。どこにしまったかなんて、すっかり忘れていたのに。
「どうぞ。お好きになさって。」
「分かった。有り難う。」
スーツでも新しく作るのかしら?そろそろ夏だし、衣替えのシーズンよね。剛ちゃんも張り切ってたし。
木曜日
普段より少し早めに退社して、おば様と待ち合わせる為にホテルの1室へ向かう。今日は剛ちゃんも一緒に3人でオペラを観る予定。
「ほら。早く座って。ちゃっちゃと支度しちゃうわよ。」
良かった…。今日の剛ちゃんは割りとまともに見える。青紫系のパンツに黒いシャツ。ベストはパンツと同系色で、スワロフスキーの刺繍がついてる。多分、これはアルマーニね。この前、パレ・ド・トーキョーで見たコレクションのと似ているもの。