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私は犬
第23章 私の事情
添付されたメモやレシピを見ながら格闘する。何々?これとこれを、この酢味噌で和えろですって?この茹でたミル貝と葱を?酢味噌?へーっ…。茹でた葱嫌い…。私は葱抜きで。酢味噌じゃなくてお醤油でいい…。

これ、武器みたいなお魚ね。カマス?へー。

私がやるのはこれ位。後はこの蛤でお味噌汁作って、お料理の方が作ってくれた物を色々並べておしまい。

あ、ちりめん山椒のふりかけがある。これ好き。箸休めにして下さいって、これ塩ゆでの空豆ね。これも好き。何だか飲みたくなってきた……。

さっさとお風呂を済ませて、DVDでも見ながら飲んじゃおう。DVD、オペラかバレエか悩むわ…。

お風呂を済ませて、念のため薬を飲んで。1人で飲み始めた頃に、有史さんが帰ってきた。

「お帰りなさい。」

「ただいま。風呂入ってくる。」

そう言って、私の頭をぐしゃぐしゃ撫でて通り過ぎて行った。私、犬じゃないわよっ。わかってるのかしら?

いつの間にか、食事をトレーに持って、隣に座っている。そうそう。そうやって、自分のご飯は自分ですべきよね。

「お前、飲んでんの?俺も飲むかな…。」

と言ってキッチンに行ったけれど、真似しなくてもいいのに…。
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