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私は犬
第26章 大切なこと*
脱出に成功した身体で、人として必要だと思われる最低限の事をこなした。有史さんも渋々、私にあわせてくれた。

2人で軽い食事を終えた時、有史さんがこう切り出した。

「提案がある。」

なんでしょう?

「セックスしている時は、真子の気持ちいい所、ちゃんと教えろ。」

「……全部気持ちいいから大丈夫…。」

「照れてないで言えよ。これ、お前が女になるために欠かせない大切な事だ。」

大切な事?

「気持ちいい場所を触られたら、そこが気持ちいいと口に出せ。」

………そんな恥ずかしい事、わざわざ言わないといけないの?

「お前、人並みの女になりたいんだろ?皆がやってる当たり前の事が出来なくてどうする?」

「それ当たり前なの?」

「もちろん。」

じゃあ、頑張らないといけないわ…。恥ずかしいとか考えている場合じゃない…。

「少し練習しないか?ついでに、ここで早くイけるようになる練習も。」

そう言って有史さんは、お臍の下を軽く撫でた。そうだった…。女性はここでイけるようになってからがスタートだって言ってたっけ…。

「私でも、ココでイけるようになると思う?」

「ああ。俺がちゃんとココでイける女にしてやる。」

私のお臍の下を撫でながら、有史さんは嬉しそうにそう言った。
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