この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私は犬
第29章 諦めろ*
というか、ここ会社の近所なんだ…。気が付かなかった。
「さっきの神社、良く来たの?」
「ガキの頃、家族で夏祭りに来たな。婆さんも詣ってた。大学入る時に、ここの御守り送って寄越した。合格祈願ってやつ。」
おばあ様の想い出を手繰って…。もしかしたら御命日、近いのかもしれない…。私も、命日近くになると、こういう風に、昔をなぞりたい気持ちになるもの…。
焼き魚の定食を頼んだけれど、味は普通だった。普通のお店に普通のご飯。よく考えてみれば、あんなに欲しかった普通が、今ここにあるというのに。感動はとても薄い…。というか、ほぼ無い。
お店を出て歩きながら、普通って、感動とは遠い所にあるのかもしれない。と思った。
うろうろ歩いて、どこをどう歩いたかなんて、さっぱり分からないまま有史さんと一緒に歩いて、お団子屋さんにたどり着いた。
追分け団子?追って分けっこするお団子?
有史さんは、かき氷でも食べて行くか?と聞いてくれたけど、お腹いっぱいだからお断りした。
見ていると、自宅用にみたらし団子とか豆大福とか、買い込んでいる。有史さんは甘い物が嫌いなはず…。
これ、多分、おばあ様にお供えするんだ…。おばあ様、ここのお団子が好きだったのかもしれない…。
「さっきの神社、良く来たの?」
「ガキの頃、家族で夏祭りに来たな。婆さんも詣ってた。大学入る時に、ここの御守り送って寄越した。合格祈願ってやつ。」
おばあ様の想い出を手繰って…。もしかしたら御命日、近いのかもしれない…。私も、命日近くになると、こういう風に、昔をなぞりたい気持ちになるもの…。
焼き魚の定食を頼んだけれど、味は普通だった。普通のお店に普通のご飯。よく考えてみれば、あんなに欲しかった普通が、今ここにあるというのに。感動はとても薄い…。というか、ほぼ無い。
お店を出て歩きながら、普通って、感動とは遠い所にあるのかもしれない。と思った。
うろうろ歩いて、どこをどう歩いたかなんて、さっぱり分からないまま有史さんと一緒に歩いて、お団子屋さんにたどり着いた。
追分け団子?追って分けっこするお団子?
有史さんは、かき氷でも食べて行くか?と聞いてくれたけど、お腹いっぱいだからお断りした。
見ていると、自宅用にみたらし団子とか豆大福とか、買い込んでいる。有史さんは甘い物が嫌いなはず…。
これ、多分、おばあ様にお供えするんだ…。おばあ様、ここのお団子が好きだったのかもしれない…。