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私は犬
第8章 お仕事です③
ほどなくして、「お待たせしてすみません。仕事が押していて。」と言いながら、孝徳さんがお見えになって。
「ほらね。言った通りでしょ。待ってなくて良かったわ。いつもこうなのよ。」
と、おば様が仰って。和やかにお食事は続いた。
「ところで真子ちゃん。仕事はどう?」
お茶を頂いていたら、唐突に孝徳さんにこう聞かれて、穏やかだった非日常から一気に現実に押し戻される。
仕事。どうなんだろう。怒られてばかりだから、あまり言いたくないわ。でも、何か言わなきゃ……。
「私が至らないので、皆さまにご迷惑ばかりお掛けしています。」
と伝えると、おば様が、「そんな事ないわ。それに、最初から何でも出来る人なんていないのよ。」と慰めて下さった。
その通りかもしれない。けれど…。
「何か、気付いた事があったら教えて欲しいんだ。不便だなと思うところとか。」
そう言われて、顔を向けると、孝徳さんは長い綺麗な指先で器用にお箸を操りながら、お料理を口に運んでいる所だった。
不便なところ?……。思いきって
「お化粧室がね、混んでいるの」
と告げてみる。
「どうすればいいと思う?」
お茶を飲みながら、孝徳さんにそう問われて、
「ほらね。言った通りでしょ。待ってなくて良かったわ。いつもこうなのよ。」
と、おば様が仰って。和やかにお食事は続いた。
「ところで真子ちゃん。仕事はどう?」
お茶を頂いていたら、唐突に孝徳さんにこう聞かれて、穏やかだった非日常から一気に現実に押し戻される。
仕事。どうなんだろう。怒られてばかりだから、あまり言いたくないわ。でも、何か言わなきゃ……。
「私が至らないので、皆さまにご迷惑ばかりお掛けしています。」
と伝えると、おば様が、「そんな事ないわ。それに、最初から何でも出来る人なんていないのよ。」と慰めて下さった。
その通りかもしれない。けれど…。
「何か、気付いた事があったら教えて欲しいんだ。不便だなと思うところとか。」
そう言われて、顔を向けると、孝徳さんは長い綺麗な指先で器用にお箸を操りながら、お料理を口に運んでいる所だった。
不便なところ?……。思いきって
「お化粧室がね、混んでいるの」
と告げてみる。
「どうすればいいと思う?」
お茶を飲みながら、孝徳さんにそう問われて、