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私は犬
第8章 お仕事です③
お弁当と呼ぶには少し恥ずかしい、自作のおにぎりを持って屋上に向かうと、既におば様はいらしていた。
「真子ちゃん!」と声をかけられて小走りに歩み寄ると、お付きの方が椅子を引いて下さる。
テーブルには喜兆さんのお弁当が待っていて、お握りを持ってきた事を、少し恥ずかしく思いながら、やめておけば良かったと後悔した。
「孝徳も誘ったから、そろそろ来ると思うの。でも先に頂いてましょう。待っていたら明日になるかもしれないもの。」
と言われて、その通りかもしれないと思った。孝徳さんはとても多忙な方だから。
「ここは藤が綺麗に咲くのよ。早く見たいわ。見頃になったら、またお昼をここで頂きましょうね。」
そう言われて上を見ると、藤がとても小さな蕾をたたえて、フワフワと漂うようにぶら下がっている。
「牡丹も綺麗なの。康徳さんがね、植えて下さったのよ。」
と嬉しそうに仰るから、このお庭はもしかしたら、おじ様からおば様へのプレゼントなのかもしれないわ。会社は同じ系列だもの。
「素敵な旦那さまで、おば様が羨ましいわ。」と口にすると、おば様は嬉しそうに微笑まれた。見ている私まで幸せな気持ちになるような、そんなお顔で。
「真子ちゃん!」と声をかけられて小走りに歩み寄ると、お付きの方が椅子を引いて下さる。
テーブルには喜兆さんのお弁当が待っていて、お握りを持ってきた事を、少し恥ずかしく思いながら、やめておけば良かったと後悔した。
「孝徳も誘ったから、そろそろ来ると思うの。でも先に頂いてましょう。待っていたら明日になるかもしれないもの。」
と言われて、その通りかもしれないと思った。孝徳さんはとても多忙な方だから。
「ここは藤が綺麗に咲くのよ。早く見たいわ。見頃になったら、またお昼をここで頂きましょうね。」
そう言われて上を見ると、藤がとても小さな蕾をたたえて、フワフワと漂うようにぶら下がっている。
「牡丹も綺麗なの。康徳さんがね、植えて下さったのよ。」
と嬉しそうに仰るから、このお庭はもしかしたら、おじ様からおば様へのプレゼントなのかもしれないわ。会社は同じ系列だもの。
「素敵な旦那さまで、おば様が羨ましいわ。」と口にすると、おば様は嬉しそうに微笑まれた。見ている私まで幸せな気持ちになるような、そんなお顔で。