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私は犬
第32章 我慢の限界*
個別にエステやフィットネスメニューが組まれて、退屈する暇は無さそう。孝徳さんがきちんと納得させないまま置き去りにするから、おば様のお臍が曲がるのよ…。はぁ〜。

「おば様、私、プールに行きたいわ。ジャグジーとか…。ね?」

「嫌よっ。朝治療した歯がいたいのっ!」

駄目だこりゃ…。

「昔も、ここにお泊りになって色々楽しそうになさってたじゃない?今年はなさらないの?」

「いつもは、マナルさんが一緒だから楽しかったのっ。毎年、ちゃんと計画を立てて色々してたのに、これで台無しになったわっ。突然こんな所に1人で置き去りにされて楽しい訳無いじゃない…。」

そうね…。その気持ち、よく分かるわ。マルヤムに、お母さまがお暇か聞いてみようかしら…?孝徳さんってば、おば様の事になると、いつも脇が甘い……。

おば様の今日の滞在プログラムを確認すると、朝から結構な治療や施術を受けている事が判明して、念のため先の分も確認すると、息抜きも楽しみも何も無い軍隊みたいなプログラムになっていた。

これじゃ、パスポートが無くても無理矢理にでも帰国しかねない。持って後2日だわ…。

「……おば様、私ね、別荘の改装したいの。おば様にお力をお借りしたいのだけど…。」

そう切り出したとたん、おば様の顔つきが変わった。よし。食いついた!
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