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私は犬
第33章 さよなら
私がパジャマを脱ぎ捨てる様子を、じっと観察していた有史さんは、そう言ってコンドームと偽物おチンコを私の頭の隣に置いた。

そして、ゆっくり枕元に腰を下ろすと、頭を撫でてから唇に小さなキスをした。

「イくまで見ててやる。好きなだけ使え。」

使えって…。有史さんが、いつものように逝かせてくれるんじゃ無いの?すぐ側に置かれた、黒い色の偽物おチンコは、今まで見たどれよりも大きい…。これを使ってオナニーしろと?そういう事?

膝裏から手を外しながら恐る恐る有史さんの顔を見ると、とても冷静な、恐ろしい程静かな目をしていた。

「どうした?早くやれよ…。」

そんな事出来ない…。第一、コンドームに触った事すら無いのに、どう扱うかなんて分からない…。

「わ、私。コンドームの扱い方、知らないの。それに……」

「教えてやるよ…。」

私の言葉を遮って、頬や頭をそっと撫でながら有史さんが言う。

「……教えてもらっても出来ないわ。オナニーなんかしたくない…。」

「したい、したくないじゃねぇんだよ。やれ。」

有史さんの目が瞬きもせずに、私を見つめ続けている。有無を言わせない命令するかのような口調が怖くて、見つめられた身体が熱くて、背中がゾクゾクして、全身の産毛が逆立っていった。
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