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私は犬
第33章 さよなら
月曜日

どんな時でも、地球上のあらゆる存在に、時は等しく流れる。もちろん私にも。

背中をトントンされながら無理矢理寝かしつけられて、目を覚ましたら朝だった。横に有史さんの姿は無い…。今日はいつもより早いんだな。と思って時計を見たら6時を過ぎてる…。

大変だっ!有史さんがいつもより早いんじゃなくて、私がいつもより遅いんだっ!

慌てて飛び起きて支度を済ませてキッチンへ向かうと、ダイニングテーブルの上で、有史さんが珈琲を飲みながら新聞を読んでいた。

「おはよう。ゆっくり寝れたか?」

余裕綽々でそう言われると、ちょっと悔しい。

「おはよう。お陰さまで寝すぎたわ。私、もう行くから、ごゆっくり。」

そう言い捨てて玄関へ向かうと、有史さんまで着いてきた…。

「ちょっと、何考えてんのよっ!一緒に出社なんてしないわよっ。誰かに見られたらどうするのよっ!」

「そんなん気にすんな。言い訳なんてどうにでもなる。それに、こんな早朝から出勤して来てる奴は少ねぇ。」

有史さんは、そう言いながら靴を履いている。ここは5分でいいから、時間をずらして出るべきだろう…。

「お先にどうぞ。私、少し遅れて家を出るわ。」

「はぁーっ…。面倒くせぇ事言ってんなよ。いいから来いっ。」
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