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私は犬
第33章 さよなら
腕を掴まれて、連行されて、マンションのエレベーターに連れ込まれた。犯罪者や捕虜じゃないんだから離して欲しい。
「腕を離してっ。こんな事をして、途中で誰かが乗って来たらどうするの?」
「絶対にこねぇ。賭けてもいい。」
有史さんは、ニヤニヤしながら余裕な表情でそう告げた。そんな賭けに乗らないわよっ。
エレベーターは途中、誰も乗せる事なく1階までたどり着いた。有史さんを見ると、勝ち誇ったような表情を浮かべてこっちを見ていて、それが無性に腹立たしい。
「分かった。おとなしく一緒に出勤するから、手を離して。このままエントランスを歩くつもり?私は嫌よ。」
そう告げると、有史さんは手を離してくれた。朝から調子狂いっ放し…。並ばないで歩けばいいんだわ。少し離れて着いて行こう…。
マンションを出て、有史さんの少し後ろを歩く。
「お前、横にこい。来ないと手繋ぐぞ。」
手を繋いで歩くなんて、それこそ冗談じゃない…。仕方なく、本当に仕方なく、横に並んだ。明日は絶対に早起きして、先に家を出てやるんだから…。
「お前さぁ、そんな顔して歩くなよ…。眉間にシワよってんぞ。」
有史さんの手が眉間を撫でた。ああああっ。もうっ、触らないでっ!
「腕を離してっ。こんな事をして、途中で誰かが乗って来たらどうするの?」
「絶対にこねぇ。賭けてもいい。」
有史さんは、ニヤニヤしながら余裕な表情でそう告げた。そんな賭けに乗らないわよっ。
エレベーターは途中、誰も乗せる事なく1階までたどり着いた。有史さんを見ると、勝ち誇ったような表情を浮かべてこっちを見ていて、それが無性に腹立たしい。
「分かった。おとなしく一緒に出勤するから、手を離して。このままエントランスを歩くつもり?私は嫌よ。」
そう告げると、有史さんは手を離してくれた。朝から調子狂いっ放し…。並ばないで歩けばいいんだわ。少し離れて着いて行こう…。
マンションを出て、有史さんの少し後ろを歩く。
「お前、横にこい。来ないと手繋ぐぞ。」
手を繋いで歩くなんて、それこそ冗談じゃない…。仕方なく、本当に仕方なく、横に並んだ。明日は絶対に早起きして、先に家を出てやるんだから…。
「お前さぁ、そんな顔して歩くなよ…。眉間にシワよってんぞ。」
有史さんの手が眉間を撫でた。ああああっ。もうっ、触らないでっ!