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私は犬
第10章 お仕事でした

自分の席でふと目を開けると、皆さん出社してほぼ揃った所で。そういえば、今朝は珍しく用事を言い付けられなかった事に気付いて、少し安心した。
もう、私に仕事を頼む人はいない。会議室の解錠でさえ、錠を数回紛失したから。私に持たせると無くなる。そういうイメージがついてしまったのだろう。
渡辺さんに「資料室に行ってきます」と告げて、資料室へ向かった。
資料室は静かで人がほとんどいなくて安らげる。だからここが好き。社員証を通して暗証番号を打ち込めば入れるので、鍵も必要ない
それに、埃っぽいここには、渡辺さんは絶対に来ない。「私喘息なの」と神部君と話していたから、資料室の埃は身体に悪いのだろうと思う。
資料のファイルはめちゃくちゃに並べられていて、なるべく古いものから、種類別に入力するように指示されている。
総合商社だから、小さなものはチョコレートから、大きなものはジェット機まであり、種類別に、地域別に、と言われてもキリがない。
自分で少しずつカテゴリー別に並べ変えているものの、台車に山積みにしながら棚から棚へと運ぶのはとても大変。
もう、私に仕事を頼む人はいない。会議室の解錠でさえ、錠を数回紛失したから。私に持たせると無くなる。そういうイメージがついてしまったのだろう。
渡辺さんに「資料室に行ってきます」と告げて、資料室へ向かった。
資料室は静かで人がほとんどいなくて安らげる。だからここが好き。社員証を通して暗証番号を打ち込めば入れるので、鍵も必要ない
それに、埃っぽいここには、渡辺さんは絶対に来ない。「私喘息なの」と神部君と話していたから、資料室の埃は身体に悪いのだろうと思う。
資料のファイルはめちゃくちゃに並べられていて、なるべく古いものから、種類別に入力するように指示されている。
総合商社だから、小さなものはチョコレートから、大きなものはジェット機まであり、種類別に、地域別に、と言われてもキリがない。
自分で少しずつカテゴリー別に並べ変えているものの、台車に山積みにしながら棚から棚へと運ぶのはとても大変。

