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私は犬
第10章 お仕事でした

そういう時の渡辺さんは、同僚のどなたかとお約束をしている事がとても多くて、
「本当にごめん!今日中に、部下のフォローでこれ終わらせなきゃならないから、勘弁して。必ず埋め合わせするから。」と、お約束をしていたらしい方に謝っていらした。
私物も頻繁に紛失した。昼食を終えて戻ると、机の引き出しに入れておいたメイク道具が、ポーチごと紛失していて、施錠しても同じように紛失した。
そのたびに、剛ちゃんに「無くしたみたい。」「置き忘れたみたい。」と小さな嘘をつき、新しい物を用意して頂いた。
何も言わずに新しい物を用意してくれる。私の嘘を信じてくれている剛ちゃんに、会いたく無くなった。会うと辛いんだもの。
ロッカーの鍵は携帯していたのだけれども、ロッカーからも私物は紛失した。前日に五万円、確かに確認したはずのお財布のお金が、一万円しか無かったり。
社員の中に泥棒がいると知ったら。きっとおじ様もおば様も孝徳さんも悲しむだろうと。そう思ったら誰にも言えなかった…。
社会に出る事が、こんなに大変だならんて。私、世間を知らなすぎたわ…。
しなければならない事は、山積みで。やるべき事も毎日増えてゆくばかり。
私、ちゃんと病院のベッドで…。人並みに…。…ねる…のか…し…ら………。
「本当にごめん!今日中に、部下のフォローでこれ終わらせなきゃならないから、勘弁して。必ず埋め合わせするから。」と、お約束をしていたらしい方に謝っていらした。
私物も頻繁に紛失した。昼食を終えて戻ると、机の引き出しに入れておいたメイク道具が、ポーチごと紛失していて、施錠しても同じように紛失した。
そのたびに、剛ちゃんに「無くしたみたい。」「置き忘れたみたい。」と小さな嘘をつき、新しい物を用意して頂いた。
何も言わずに新しい物を用意してくれる。私の嘘を信じてくれている剛ちゃんに、会いたく無くなった。会うと辛いんだもの。
ロッカーの鍵は携帯していたのだけれども、ロッカーからも私物は紛失した。前日に五万円、確かに確認したはずのお財布のお金が、一万円しか無かったり。
社員の中に泥棒がいると知ったら。きっとおじ様もおば様も孝徳さんも悲しむだろうと。そう思ったら誰にも言えなかった…。
社会に出る事が、こんなに大変だならんて。私、世間を知らなすぎたわ…。
しなければならない事は、山積みで。やるべき事も毎日増えてゆくばかり。
私、ちゃんと病院のベッドで…。人並みに…。…ねる…のか…し…ら………。

