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陽炎ーカゲロウー
第9章 春の息吹
赤猫が作戦に加わるようになって数ヶ月が過ぎた。
冬が過ぎ、雪も溶けて新緑が芽生える。
陽気が格段と暖かくなり、過ごしやすくなった。
花も緑も、鳥も獣も、春を寿ぎ、舞い遊ぶ。
だが、赤猫の気分は優れない。
ここ数日、微熱が続き、食欲がない。
そして、月のものも止まっていた。
それが何を意味するのか。
男所帯で相談する相手も居らず、知識は限りなく低いが、それでも。
僅かに聞きかじる知識の中で、解ってはいた。
赤猫は軽い溜め息をついた。