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ゆずの譲れない物
第11章 ●一年生
真面目に、片桐が何かを言おうとしていた瞬間

『お待たせしました』

天使降臨!

冷蔵庫と簡単に相談して出来た
おつまみとは、思えないものが数品
キレイに飾られ出てきた

「おいしそう!」

ビールを片桐と俺のグラスに注ぐ天使

「ゆずちゃんも、一緒に飲もうよ!」

『いや、私は…』

チラチラと片桐を見て確認してる

「少し飲む?」

『はいっ』

片桐が小さなグラスにビールを入れる

「「『かんぱーい』」」

ゆずちゃんは、コップ一杯のビールをチビチビ飲んでいる…

一緒に飲む女には、いないタイプだ!

俺は、営業部にいるが、出世していく女はどちらかと言えば男っぽく酒も強いタイプが周りには多い


「うまーーいっ!」

まじで、美味い!

「すげー!!」

「家庭の味に飢えてるな!」笑いながら片桐が攻めてくる…

えーえー飢えてますよ!

実際、俺は、家庭という物に恵まれなかった
入社して片桐と話して帰りによく、飲むようになった。
その中で、俺は家庭の話をしたことがある
結構、酔っぱらっていたと思うがその時の記憶は鮮明に残っている
俺の過去の話を聞いても、
「へーだから?」と聞き流し
「それ、矢野の親の話だろう?関係ない」と笑い飛ばされた

その時、ぼんやり思った…
こいつには、勝てないと…

過去に縛られ、隠し続けてきた俺…

たった、数秒の話だが

俺には神的な言葉だったりする…

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