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ゆずの譲れない物
第12章 ○再会
「早いとこ手をうちなさいよ」

クスクスと笑いながら耳元で話してくる意地悪な弥生さん

いつも、この人には、かなわない…

仕事に支障がない程度で…と
聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟かれる



「ゆずちゃん!!」

『矢野さん』

「すっかり、社会人じゃん!」

『まだ2日目ですよ~』

「頑張れよ!じゃ、また行くから」

『お疲れさまです』

「ゆずちゃんっ!!矢野さんと知り合いなの?」

鼻息を荒くして弥生さんに肩を揺らされる
『そんなに、仲良くはありませんが…共通の人を挟んで知り合いですね』

「まじか…」

「上原~終わったねー」

『え?何ですか?』

「ホラ~あの容姿でしょ?矢野さんって!」

…あ、かっこいいってことか!

「ゆずちゃんは、恋愛感情ないの?矢野さんに!」

『皆無です』

「そうなんだ~もったいなーい」

『そうですかね?』

「ウチの会社にはもう一人スーパーウルトラかっこいい人いるわよ!2人は同期なのよっ!」

…スーパー…ウルトラ??

「今度見かけたら、教えてあげるっ!フロアーも違うし、会社では、あんまり見かけないけど…」

『…(それは、やっぱり…)その方のお名前は?』

「やだーっ!!やっぱり気になるわよね~!!イケメンっ!」

『いえ、そういうわけでは…』

「運営企画の片桐さんだよ!」
今まで聞き役だった上原先輩が教えてくれた!

…やっぱり!!!

それから3人で美味しい社食を食べ
数人の人に話しかけられ、弥生さんがフォローしてくれた

弥生さんの心遣いで早めにランチタイムは、終了となった

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