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ゆずの譲れない物
第4章 ○崩壊
「どうぞ」

繋いでいた手を離されドアを開けて促される

私は自分の脚で、港さんの部屋へ入る


「これ履いて」

スリッパを出してもらった


『み、みなとさん』

「ん?どうした?」

『港さんのスリッパは?』

「それ」

自分が履いてるアイボリーのスリッパを指さされ、

「うちには、スリッパを履くような客は来ないからね」
と笑っていた


コーヒーを出してもらいソファーへ座る

何もない部屋

白と茶色に統一された家具

本当に何もない


さらに広さを感じた


「何もないだろう?」

『えぇ。本当に』

「仕事がね、忙しくて、ほぼ寝に帰って来るような感じなんだ」

「ゆずちゃん」

『はい。』

後ろからぎゅっと抱きしめられた
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