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第9章 ●準備

卒業生代表　楠田ゆず

少し緊張していたがマイクを持つと
すーっと緊張が和らいだ

『寒かった季節も、終わりを告げ…』

ざわざわ

ん？

なになに？

何か後ろの方が少しざわついている

一番後方は在学生の各学部代表が座る席

その近くの扉が静かに開いた後

ざわついている

その時、
静寂を破った当本人と目があった

優しく微笑む愛する人…


どうしているの？

ゆっくり歩き静かに保護者席に座った…

少し間を空けてしまったが

答辞の最中だったことを
思い出し再度、読み始める


『卒業生代表　楠田ゆず』

読み終わると拍手を浴びた

そして、

目線を港さんへ移す

小さく手を挙げる港さん

在校生からは、港さんが手を挙げた仕草が見えていた

「ゆずさんの彼氏？」

「年上の彼氏がいるって噂本当だったんだー！」

「事務の前田さんと付き合ってるって噂は？」

小さい声で噂の噂をし始める…

先生達に静かにするように小さく注意をされていた