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氷解
第1章 氷解
陽菜子の胸の頂きを摘まむ指を、離した周防は、やっとぬらぬらと蜜に濡れた眼鏡を外した。

そして、熱い視線で射貫くように陽菜子を見る周防は

「………我慢していたのに、お前はとことん俺を煽りやがって」

「え?……」

いつもの周防ではない言葉使いで



「何の為に、俺が眼鏡をしてたか……ずっと手袋をし続けたのもわかんねーだろ?」




まるで別人のような口調で話す。


陽菜子は驚きが隠せずに、目を見開いて周防を見た。


「穢さないよう、大切に大切にしてきたのに、お前は………」

「んはっ、やぁあぁぁぁあ」

まだ二本の指を差し込まれたままの、そこ。

激しく動かす指の動きとその質量だけでも、もう耐えられなくなっているのにーーーー周防はいきなり、指をくいっと曲げた。

曲がった指があたった、そこ。

刺激が強すぎて、ビクと震えながら、陽菜子の身体が跳ねた。
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