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氷解
第1章 氷解
ーーーーー柔らかいベットの中で、陽菜子は微睡む。
頭を撫でる、優しい手。
陽菜子ーーーと、掠れたような切ない声に、
……夢?
現実か夢か、わからない。
でも、それを打ち破ったのは
スマホの着信音と
「ーーーはい」
周防の声。
あ………。
周防が電話に出たのがわかった。
でも、目が開けれずに、そのまま目を瞑る私の耳に、スマホの相手の声が漏れて聞こえた。
『陽菜子は、どうしている?』
ーーー父の声だ!
なぜ……父が?
それも、私の事を聞いている。
まるで周防との出来事を知っているみたいで……ドキドキする私とは、正反対に周防がいつもの冷静沈着な声を出した。
「お嬢様は、いつも通りでございます」
『なんだ、相変わらず貴文くんに懐かないのか?』
父はいつも周防と呼んでいるのに、どうして貴文くんと言っているの?
どうして……?
頭を撫でる、優しい手。
陽菜子ーーーと、掠れたような切ない声に、
……夢?
現実か夢か、わからない。
でも、それを打ち破ったのは
スマホの着信音と
「ーーーはい」
周防の声。
あ………。
周防が電話に出たのがわかった。
でも、目が開けれずに、そのまま目を瞑る私の耳に、スマホの相手の声が漏れて聞こえた。
『陽菜子は、どうしている?』
ーーー父の声だ!
なぜ……父が?
それも、私の事を聞いている。
まるで周防との出来事を知っているみたいで……ドキドキする私とは、正反対に周防がいつもの冷静沈着な声を出した。
「お嬢様は、いつも通りでございます」
『なんだ、相変わらず貴文くんに懐かないのか?』
父はいつも周防と呼んでいるのに、どうして貴文くんと言っているの?
どうして……?