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それでも・・愛してる
第9章 姉と過ごす休日・・
朝起きるともう8時近く。
昨夜の酒が少し残っているのか、頭にズキズキした刺激を感じる。
「たいして飲んでないのになぁ」
ベッドから這い出て、キッチンで水を飲む。
水分のいきわたる感覚が、体から眠気を追い払ってくれた。
今日も仕事の陽斗の事を気にしつつ、コーヒーを淹れ、トーストを焼く。
朝食を済ませたら、すぐに出かける支度をしなきゃ。
今日は多佳子と買い物に行くのだ。
新しくできたショッピングモールのある駅で、多佳子と待ち合わせをした。
改札を抜けると、平日にも関わらず多くの人でごったがえしていた。
そのほとんどが、女性。
友達同士やベビーカーを押した若い母親。
新しいショッピングモールを早く楽しみたいと混雑覚悟で見物に来た同類たちの中から
姉の姿を見つけ出そうと視線を飛ばした。
その時、後ろから肩を叩かれた。多佳子だ。
「それにしてもすごい人ねぇ。みんな新しいものにはすぐに飛びつくのね、特に女は!」
ウキウキと声を弾ませながら私の腕を取ると多佳子は、
落ち着きのない足取りで私を引っ張って目的地へと進んだ。