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それでも・・愛してる
第16章 充実した休暇・・滝川さんの恋話
「前にも言った通り、好き、だから。ただそれだけです」
おだやかな滝川さんの顔をじっと見つめた。
「たしかに、妻のしたことは重い・・だけど誰でも過ちは犯す。
それを許してくれる人もいなければ・・人はみんなおんなじなんだから・・
私は・・許せない、という気持ちよりも許そう、という気持ちを選んだ。
それは・・これからの人生も彼女と一緒に生きていきたい、それだけです・・」
なんの前触れもなく、私の目からは涙が小さな粒となって、滑るように落ちた。
はっきりと判った。答えが・・
女の涙を目の当たりにした滝川さんは、突然の事に気持ちがパンクでもしたようで、
口から泡吹きそうなくらいの苦しそうな呼吸しか聞こえてこない。
「あ、あの!ど、どうしよう・・ごめんなさい!私、なにか気に障ることでも・・」
ものすごい動揺におそわれている彼が気の毒になって、私は泣きながら笑顔を作った。