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世界は灰色で、君は虹色で
第1章 世界は灰色で、君は虹色で
チャイムが鳴り、玄関の扉を開ける。
「よう」
彰人は黒のきっちりとしたスーツを着ていた。普段、ジーンズ姿しか見たことがなくて、新鮮だと同時にかっこいいと思った。
「どうぞ」
客間に座り、暫し沈黙。
「だいたい、何を言いたいのかは分かってるわ」
先に口を開いたのは母親だ。
「なら、話しは早いですね。娘さんと一緒に住ませて下さい。ゆくゆくは結婚したいと思っています」
「そう。でもね、ひとつ約束して欲しいことがあるの」
母親は真剣な目をして言った。もう、以前とは違う。母親の顔をしている。
「何ですか?」
「私は優奈のことを大切に出来ない期間がありました。優奈を産む決意をした時、愛そうとそう決心をしたのに、いつの間にか大事なことを忘れてしまっていたのです。悲しい思いや辛い思いをたくさんさせてしまいました。だから、優奈を精一杯愛して欲しいのです。大切にして欲しいのです。よろしくお願いします。約束できますか?」
「もちろんです」
母親の思いに私は感動した。彰人の高らかな宣言が私の胸に響く。今まで辛いことがたくさんあった。
世界は灰色なのだと思っていた。だけど、虹色の心を持つ彰人に出会う。母親との心の掛け違いも解けた。
ほら、なんだか世界が虹色に輝き始めた。
End
「よう」
彰人は黒のきっちりとしたスーツを着ていた。普段、ジーンズ姿しか見たことがなくて、新鮮だと同時にかっこいいと思った。
「どうぞ」
客間に座り、暫し沈黙。
「だいたい、何を言いたいのかは分かってるわ」
先に口を開いたのは母親だ。
「なら、話しは早いですね。娘さんと一緒に住ませて下さい。ゆくゆくは結婚したいと思っています」
「そう。でもね、ひとつ約束して欲しいことがあるの」
母親は真剣な目をして言った。もう、以前とは違う。母親の顔をしている。
「何ですか?」
「私は優奈のことを大切に出来ない期間がありました。優奈を産む決意をした時、愛そうとそう決心をしたのに、いつの間にか大事なことを忘れてしまっていたのです。悲しい思いや辛い思いをたくさんさせてしまいました。だから、優奈を精一杯愛して欲しいのです。大切にして欲しいのです。よろしくお願いします。約束できますか?」
「もちろんです」
母親の思いに私は感動した。彰人の高らかな宣言が私の胸に響く。今まで辛いことがたくさんあった。
世界は灰色なのだと思っていた。だけど、虹色の心を持つ彰人に出会う。母親との心の掛け違いも解けた。
ほら、なんだか世界が虹色に輝き始めた。
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