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世界は灰色で、君は虹色で
第1章 世界は灰色で、君は虹色で
高校を卒業した週の日曜日。彰人が私の家に来た。母親には、
「連れてきたい人がいるから日曜日空けといて」
と空けてもらった。私は、女ではなく、母親とまた思えるようになった。
あの日、初めて無断で家に帰らなかった。家に帰ると泣いていた。
「ごめんなさい」
と謝る姿に、
「これからはいい母親になるよう努力するから」
その言葉に半信半疑だった。だけど、それからは、変わる代わり男を連れてくることが無くなった。下手くそだけど料理を作るようにもなってくれた。だから、今では母親も寂しかったのだ。愛し方がただ解らなかっただけなのだと思うようになった。やっぱり、世界でたった一人の母親なのだから恨みたくない。もう一度、築き直そうと思えたのだ。
ただ反抗して、何も言わなかった私も悪かったと反省した。