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心雨~愛を探して~
第3章 再会
「……成瀬くん?」
俺は、思わず村山を抱きしめていた。頬には滴が零れ落ちる。あぁ、俺はまた村山を守ることが出来なかった。幸せになっていて良かったなんて、俺はなんて単細胞なのだろうか。
「村山、悪いことは言わないから、あの男とは別れよう」
村山の体が離れて、俺の目をしっかりと捉えた。
「別れないよ。彼は、私を愛してくれている。この数年、彼はずっと私の傍にいてくれた。彼ね、不器用なの。だからこんな形でしか私を愛せない。でも、それでもいい。私も彼のことを愛しているから。彼のことを守ってあげられるのは、愛してあげられるのは私しかいないから。だからごめんね。成瀬くんの頼みでもそれはできない。ごめん、ありがとう。酔い醒めてきたし、戻るね」
村山は冷めた目で声で、それでいて最後は優しく微笑んで、立ち去った。
今でも村山を好き、いや、愛していることには変わりないのに、どうして愛は単純にはいかないのだろう。
夜の公園で涙する男、一人。あぁ、俺ってなんてかっこ悪いんだろう。
俺は、思わず村山を抱きしめていた。頬には滴が零れ落ちる。あぁ、俺はまた村山を守ることが出来なかった。幸せになっていて良かったなんて、俺はなんて単細胞なのだろうか。
「村山、悪いことは言わないから、あの男とは別れよう」
村山の体が離れて、俺の目をしっかりと捉えた。
「別れないよ。彼は、私を愛してくれている。この数年、彼はずっと私の傍にいてくれた。彼ね、不器用なの。だからこんな形でしか私を愛せない。でも、それでもいい。私も彼のことを愛しているから。彼のことを守ってあげられるのは、愛してあげられるのは私しかいないから。だからごめんね。成瀬くんの頼みでもそれはできない。ごめん、ありがとう。酔い醒めてきたし、戻るね」
村山は冷めた目で声で、それでいて最後は優しく微笑んで、立ち去った。
今でも村山を好き、いや、愛していることには変わりないのに、どうして愛は単純にはいかないのだろう。
夜の公園で涙する男、一人。あぁ、俺ってなんてかっこ悪いんだろう。