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心雨~愛を探して~
第4章 背中の火傷
「杏、杏」
僕の頬に温かい雫が幾度も伝う。何度目の雫でだろうか。アパートのドアが開かれた。
「杏! また僕は……ごめんな、ごめん」
「真守(マモル)くん、起きたんだ。ちょっとコンビにまで行ってて。大丈夫、大丈夫。分かってるよ。ずっと一緒にいるから。真守くんのこと一人になんて絶対しないよ」
彼女はこんな僕を抱きしめて、背中をさすってくれる。僕は彼女に口付けを交した。深く、深く。そして、愛を確かめ合う。
「愛しているよ」
お互いに囁く声。
彼女は唯一、僕の背中の火傷を気持ち悪がることなく、触れてくれる。
「きっとお母さんは、真守くんに何かを残したかったんだと思う。きっとどうしようもなかったんだよ。そう、あの時の――くんのように」
だけど、また僕は不安になる。はっきりとは聞こえなかったけれど、まただ。“成瀬くん”先ほど飲んだ精神安定剤で彼女に手を上げることはなかったけれど、涙が頬を伝った。
僕の頬に温かい雫が幾度も伝う。何度目の雫でだろうか。アパートのドアが開かれた。
「杏! また僕は……ごめんな、ごめん」
「真守(マモル)くん、起きたんだ。ちょっとコンビにまで行ってて。大丈夫、大丈夫。分かってるよ。ずっと一緒にいるから。真守くんのこと一人になんて絶対しないよ」
彼女はこんな僕を抱きしめて、背中をさすってくれる。僕は彼女に口付けを交した。深く、深く。そして、愛を確かめ合う。
「愛しているよ」
お互いに囁く声。
彼女は唯一、僕の背中の火傷を気持ち悪がることなく、触れてくれる。
「きっとお母さんは、真守くんに何かを残したかったんだと思う。きっとどうしようもなかったんだよ。そう、あの時の――くんのように」
だけど、また僕は不安になる。はっきりとは聞こえなかったけれど、まただ。“成瀬くん”先ほど飲んだ精神安定剤で彼女に手を上げることはなかったけれど、涙が頬を伝った。