この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
心雨~愛を探して~
第7章 処女と初恋
「ちょっ?! 村山」
「ご、ごめんなさい!」
「……いや、いいけど。ちょっとびっくりした」
「わっ、私、そろそろ帰るね!」
「あっ、あぁ」
私は、成瀬くんに背を向ける。
「村山!」
「なっなに?」
少し歩いてから呼び止められる。
「これやるよ! これって村山に似てるよなっ! ブヒー」
「ちょっ! 失礼だから、それ。じゃあね!」
「あ! 村山?」
「なに?」
「いや、なんでもない。また明日な」
この夜の次の日からも私達の友達という関係が変わることはなかった。あの夜、成瀬くんが言おうとしたことを聞いていたら、今の関係は何か変わっていただろうか?