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心雨~愛を探して~
第7章 処女と初恋
「ちょっと夜風に当たりたいなーなんて。ねぇ、それより、なんで変な時期に転校してきたの? あ、答えたくなかったらいいんだけど……」
夜といういつもと違う雰囲気にずっと気になっていたことを聞いてしまった。
「いや、たいしたことじゃないし、いいよ。ただ、親父の借金で色んなものが差し押さえになって、それでも足りなくて自己破産した。立て直そうと頑張ったんだけど、金遣いってやつはアレだな。直らない。だから、お袋が俺のためにって離婚して、一からやり直すのにって見知らぬ土地にきた。この島を選んだのは、都会の煩い感じがなくて、平和そうだからって」
あっけらかんと話す成瀬くん。今まで恋を知らなかった私が、初めて恋を知った瞬間。成瀬くんの優しさの裏にある本当の強さを感じた。
「それ、全然、たいしたことじゃないから」
海を目の前に二つの重なる影。私は、不意に自分の唇を成瀬くんの唇に重ねた。ほんの数秒の時間が永遠に感じた。
夜といういつもと違う雰囲気にずっと気になっていたことを聞いてしまった。
「いや、たいしたことじゃないし、いいよ。ただ、親父の借金で色んなものが差し押さえになって、それでも足りなくて自己破産した。立て直そうと頑張ったんだけど、金遣いってやつはアレだな。直らない。だから、お袋が俺のためにって離婚して、一からやり直すのにって見知らぬ土地にきた。この島を選んだのは、都会の煩い感じがなくて、平和そうだからって」
あっけらかんと話す成瀬くん。今まで恋を知らなかった私が、初めて恋を知った瞬間。成瀬くんの優しさの裏にある本当の強さを感じた。
「それ、全然、たいしたことじゃないから」
海を目の前に二つの重なる影。私は、不意に自分の唇を成瀬くんの唇に重ねた。ほんの数秒の時間が永遠に感じた。