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心雨~愛を探して~
第9章 狂気
「どうしてって? 僕は杏のことなら何でも知ってるよ。あの男さえ戻ってこなければ、杏がいい子にしていれば、僕たちは平和に愛し合って、結婚できるはずだった。だけど、もう無理だね? 杏を殺して、僕も死ぬことにするよ。ふふっ。そしたらね、僕たちは永遠。杏、愛してるよ……」
「助けて……なる、せ……くん」
私はバカだ。こんな状況になってやっと気づいてしまった。この愛は、愛なんかじゃない。間違っている。彼は歪んでいた。
私は寂しさをただ埋めて、可哀想な彼を守っているという自己陶酔に陥っているだけだった。やっと最愛の人に再会できたのに死にたくなんかないよ。成瀬くん、成瀬くん、成瀬くん。
許されるのならば、叶うのならば、高校時代から想っていたこと、私の初恋を貴方に言葉でちゃんと伝えたい。
“私は成瀬くんが好きです”
「助けて……なる、せ……くん」
私はバカだ。こんな状況になってやっと気づいてしまった。この愛は、愛なんかじゃない。間違っている。彼は歪んでいた。
私は寂しさをただ埋めて、可哀想な彼を守っているという自己陶酔に陥っているだけだった。やっと最愛の人に再会できたのに死にたくなんかないよ。成瀬くん、成瀬くん、成瀬くん。
許されるのならば、叶うのならば、高校時代から想っていたこと、私の初恋を貴方に言葉でちゃんと伝えたい。
“私は成瀬くんが好きです”