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第3章 ハネムーン

空の旅は、快適だった。

途中、２回用意された食事も美味しく、
彼女と一緒に、少しだけワインも楽しんだ。


そうして約９時間半余りのフライトを終え、
降り立ったシドニーの地は、ようやく薄暮に沈みかけていた。


ナッちゃんは、飛行機での約束通り、
荷物を取りに行く前に、ちょっと陰に回って、
僕に小さくキスをしてギュッと抱きしめてくれた。


「冠くん。今回は、確かにお父様にご招待いただいた旅だけど、
私たちの新婚旅行でもあるでしょ？　
何もかも、夫婦になって初めてする事でしょ？　
だから、たくさん思い出も作ろう？」


そう言って、もう一度かわいいキスをくれる。