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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
ヤダ…ダメそんなの…私の話し聞いて!
何度も掛け直すのに…なんで出てくれないの?
「ちゃんと私の話も聞いてよぉ、グスッ、グスッ」
勝手に決めて、一方的に喋ってズルい。
なによ、愛してるならなんでそんな事言うの…
好きなのに終わらせるの?愛してるのに?
カッコつけないでよ……
グスッグスッ
それならまだ…もう好きじゃないって言ってよ!
もう愛してないって言ってくれた方がいいよ…
私達、結婚するんじゃなかったの?
お父さんとお母さんの前で言ったじゃない、
嘘つき。
バカッ……鏡也君なんて…だいっ嫌い…ウッ、ウッ、
すぐに電源を切ったみたい。
何度掛けても無機質なアナウンスが流れるだけ……
胸の鼓動が激しくなって苦しくて堪らない。
なんで…なんでよ?
やだやだ……グスッグスッ……やだよぉ、鏡也君…
ウッ、グスッ、グスッ…バカッ、ヒック、ヒック
「バカァ」
──//
バタン
「葉瑠ちゃん?どうしたの?」ヒック、ヒック
「ようこさ、ウッ、グッ」
思わず叫んだ私の声に、洋子さんとヒロちゃんが個室に駆け込んできた!
ウッ、ウェ、ヒックヒック
泣き崩れる私を見て二人ともビックリしてる!
ヒロちゃんが鏡也君に何度も電話をするけどやっぱり出なくて…
「あのバカッ…なに考えてんだ……」
ヒック、ヒック、ヒック、
鏡也君…お願い。私を離さないでよ。
少し冷静になればきっと大丈夫だよね。こんな事で私たちが終わるわけないよ。
そうでしょ?
鏡也君……そうだって言ってよ…!