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秘密のキスは蜜の味【完結】
第30章 遠い800㎞の距離
「そっちで、もし葉瑠を護ってくれる人がいるなら…俺に遠慮しないでソイツに護ってもらって!」
え?なに?─どう言う意味
「葉瑠は俺の事……待ってなくていいよ」
鏡也君…やだ、冗談、やめて
「もし何年かして俺が本社に戻った時に……葉瑠がまだ俺の事好きで居てくれたら、その時はまた付き合おう」
やだ、なんで?なに言ってるの
私、鏡也君に護って欲しいなんて……
これからは誰にも迷惑掛けないように気を付けるから、そんなこと言わないで。
「私の事信じてるって言ったじゃない。ヒロちゃんも藤堂部長の事も誤解なんだってば、やっぱり疑ってるの?」
「違う、そうじゃない」
放れてると、葉瑠が心配でダメなんだよ俺。
信じてるのに……もしかしたらって余計な事ばっか考えて苦しくなるし。
近くで護れないのにヤキモチ妬いて束縛するって最悪だろ?
こんなこと考える自分が嫌なんだよ!
「だから……葉瑠は近くの誰かに任せようと思う」
「やだよ……勝手に決めないで」
護ってくれなくていいから、お願い。
「嫌いになったんじゃないんだ」
俺は今も葉瑠の事を愛してるし…これからもずっとそれは変わらない。
「でも俺達──しばらく凍結しよ」
「…………なに、それ」
これ以上葉瑠を縛ってはおけないから、でも俺はずっと葉瑠を愛してるよ!
最後に逢っておきたかったけど、逢ったら俺…葉瑠の事離せないと思うから─
『今日で…暫く凍結するよ』
「鏡也君やだ待ってよ!聞いて私『葉瑠、愛してるよ』
ブチッ。ツーツーツーツー
「きょうや、くん?…やだっ……待ってよ」