この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密のキスは蜜の味【完結】
第8章 もう一度好きって言って

時間が気になってしょうがない─
…あぁ~くそっ終わんねぇ~時間はとっくに過ぎてんのに。
部屋を出て葉瑠に何度も電話を掛けるのに…
留守電になってて繋がんねぇ。
葉瑠…
なんで留守電なんだよ…不安になってきた。
〝悪りぃ~すぐに戻るから頼む〟
……同僚に告げて急いで入口を抜けて走った。
くそっ!…信号待ちの時間がもどかしいわ
遠くに待ち合わせした場所が見えるけど─カップルがいるだけで葉瑠の姿は見えなかった─
もしかして、帰っちゃった?
んなわけねぇ~よな!
おっせ~んだよ! この信号。
焦る気持ちを抑えて信号が変わると同時に走り出す!
──?─あっ──くっそ! ナンパだ。
カップルに見えていたのは、俯いて困惑する葉瑠とチャラそうな男。
〝ねぇ…いいじゃん行こ〟
男が葉瑠の手を掴んでいるのが見えた!
慌てて駆け寄り男と葉瑠の間に分り込んだ。
「おい。俺の彼女に何か用か?」
弾む息を抑えて男に声を掛けた。
「……あっ鏡也君」
〝へっ?チッ!男いたのかよ〟って…
いるわボケ!葉瑠に近づくんじゃね~よ。
「葉瑠大丈夫か?ごめん俺が遅くなったから…ハァ」
「うん、私は大丈夫だよ」
久しぶりに葉瑠の顔を見て嬉しさがこみ上げる。
葉瑠は俺を見て…それはもう嬉しそうに笑うから……さっきからドキドキしっぱなしだ。
こんなとこで待ち合わせしたらナンパされるのは当たり前だよな…
ごめんな失敗した!

