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秘密のキスは蜜の味【完結】
第8章 もう一度好きって言って
「鏡也君、大丈夫だから…ありがと」
「葉瑠?携帯は?」
んっ? あるよ! って…葉瑠は携帯を覗いた。
あっ。── 着信履歴を見て気まずそうに上目使いで俺を見てくる
その顔がとっても可愛いんだけど……でも
「葉瑠、なんかあったと思って心配するだろ」
「ごめんなさい」
葉瑠の不安そうな顔…
あ~もうっ。
そんな顔して見るなよ…
何も言えなくなるだろ?
ふっ
「怒ってるわけじゃないよ、行こ」
俺は葉瑠の手を引いてすぐにタクシーを停めた!
「乗って!」
タクシーの中で葉瑠と指を絡ませて強く握る。
久しぶりに顔を見てドキドキ胸が弾んでしょうがない…
見つめ合って微笑んで……漸く落ち着いてきた。
本当は今ここでキスしたいけど……まだ我慢。
「葉瑠ごめん。仕事終わんなくてすぐ戻らなきゃいけないんだ!」
「あっ、ううん……いいの…顔見れただけで……」
「ダメ」
それは俺がダメ。
顔見ただけで足りるわけないだろ?
ようやく逢えたんだ。
「でも電車の時間が─」
それは分かってるけどこのままじゃ、いくらなんでも寂しすぎるだろ?
「葉瑠、明日休みでしょ?」
「そうだけど……でも忙しいんでしょ?」
それはそうなんだけど…
葉瑠は俺の事を心配してるんだな。
「葉瑠、今日は一緒にいたいんだ泊まれない?明日の朝帰ればいいだろ…」
なっ?そうしろよ!
すぐに帰せるわけがない。
一緒に居たいんだ。