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秘密のキスは蜜の味【完結】
第5章 どうしようもなく君が好き

鏡也君との待ち合わせは南口駅前に2時。

早く着き過ぎちゃった──待ってる間に緊張しちゃうよ!

コホッ。

結局、祐輔は大阪出張になってタイミング的には良かったんだけど─

地元だから知り合いに会う可能性もあるし……
祐輔には言っとかなきゃ。
考えて考えて

お母さんに頼まれた事にした。
〝遠い親戚の人なんだけどね、仕事でこの辺をリサーチしなきゃいけなくて暇なら案内してやってってお母さんに頼まれちゃて〟


祐輔ごめんね。

今回だけ──!


「葉瑠ちゃん!」

急に後ろから声を掛けられてドキッとした。

振り返ると笑顔の鏡也君が手を振っている。


ドキドキして呼吸が苦しくなって‼

〝鏡也君久しぶり〟
そう返すだけで精一杯だった。


「待った?…ごめん‼遅れた」

覗き込む顔がすっごく近くて…咄嗟に一歩下がる!


ドキッ──鏡也君近すぎだよ!


「……ううん!そんな待ってないよ……」
ブンブン。

慌てて大袈裟に首を横に振れば、鏡也君はアハハッと豪快に笑う……


んっもう笑いすぎだから。
口を尖らせて鏡也君を睨んでいたのに…

「ごめんごめん!やっぱ葉瑠ちゃんは可愛いな」

えっ?……

鏡也君の言葉に胸がドクンってして…
そのあとバクバクって…

ちょっと鏡也君、もう冗談止めてよ!
心臓に悪いよ。

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