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秘密のキスは蜜の味【完結】
第26章 愛すればこそ

「あっそうか…最初だからそりゃひとりじゃな…」

ヒロちゃんは私の様子ですぐに分かったみたい、
鏡也君の顔を見ながら、フォローしようとしてくれてる。

「なんだよそれ!そんなこと聞いてないけど…」
「………!!」

どうしよう鏡也君怒ってる。

ごめんなさい。言いそびれちゃって!
わざと黙ってたわけじゃないんだけど。

鏡也君は暫く黙って、何か考えてる。
「鏡也くん、あの…仕事だから」

「ごめん葉瑠…今日は帰ろ。送るから」

立ち上がって帰ろうとする鏡也君を前に、どうしていいかわからない。

「おい、鏡也…落ち着けよ」
「……大丈夫だよ」行くよ葉瑠…

先に店の外に出てっちゃった。

「ヒロちゃん、どうしよ!」

「大丈夫だ葉瑠ちゃん、鏡也…分かってるから」
うっ、うん。


今の鏡也君はあきらかに機嫌が悪い…
手も繋がずに早足でどんどん先に歩いてく。

最初は追い付こうと時々小走りですぐ近くまで行ったりしてたけど、その度に鏡也君が早くなるから……

私は立ち止まって背中を見つめていた。
「………//」

後ろの気配ですぐに気がついたみたい。
振り返ると私が立ち止まってるから…呆れたようにため息をつかれた。

戻って来て…じっと私の顔を見つめてくる。
「行くよ」
「あっ、あの」

鏡也君に腕を掴まれ、また歩き出した!

「鏡也君?次に会ったとき言おうと思ってたの。次からは一人で行けるように…道も覚えて─」

ほんとは…私は日帰りの予定だったんだけど……
でも日帰りだと回りきれなくて…また行かなきゃ行けないから!

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