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秘密のキスは蜜の味【完結】
第26章 愛すればこそ

1泊だけすれば次からは…ひとりで行けると思って、
部長にお願いしたのが裏目に出た。

「ごめんね鏡也君がイヤだったら、遅くなるけど日帰りで帰ってくるから」

「は?ひとりでだろ…初めての場所で葉瑠が大阪からひとりで帰ってこれる分けないだろ?」

大丈夫だよ!
行く前にちゃんと調べてから行くから

「ムリだね」
「ん…無理じゃないもん」

〝いや絶対ムリだわ〟

そんなに決めつけなくても…
「じゃ部長と泊まって来ていいの?」

「………//!?」
あっ、つい売り言葉に買い言葉……
余計な事言っちゃった!

「そのつもりだったんだから泊まればいいだろ」


***
鏡也君は私をマンションまで送ってそのまま帰ろうとしてる。

「ほらっ早く入んな」やだ。
「なんで?俺、帰るから早く入れ」やだ。

〝はぁ~どうしたいんだよ…〟
鏡也君の大きなため息

だって、ちゃんと話してからじゃないと…鏡也君がこのまま帰っちゃうなんてイヤだよ…

「もういいよ!」

いいって…どういう事?
鏡也君は俺が勝手にヤキモチ妬いただけだから、もういいよって……

「仕事だろ?泊まりたいなら泊まってこい」

なにそれ!
私は俯いたまま涙が出そうになるのを必死に我慢した

「俺、帰るから、早く入れよ!」
「………!?」

私が部屋の外で立ったまま何も喋らないから呆れたみたい。鏡也君はそのままエレベーターの方に歩いてっちゃった。

「…………ウッ……グスッ」

行っちゃった…ほんとに怒らせちゃった。

私は暫くそこから動けなくて突っ立ったまま…


ヤだよ!だめ、行っちゃダメ、グスッ

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