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秘密のキスは蜜の味【完結】
第27章 愛すればこそ②……
今日はこのまま俺んとこ行くよ!
「……//」
無言の葉瑠を引っ張ってマンションに帰って来た。
ソファに座らせ俺はその前に跪いた。
葉瑠にちゃんと話さなきゃな。
葉瑠の手をそっと包んで顔を覗くとすぐに顔を逸らして唇を噛む!
今にも涙が零れそうで、そんなところを俺に見せたくないんだろう……
「葉瑠…俺を見て……葉瑠!」ブンブン
明日逢ったときに全部話そうと思ってたのに、あんな形で耳に入ればイヤだったよな…
「…こっち見て」
「お願い葉瑠…」ブンブン
ギュッ。
頑なに俺を見ようとしないから…我慢出来なくなって無理やり葉瑠を抱き寄せた。
「ごめん!隠してたわけじゃないんだ……」
あの時はまだ正式に決まってなかったから!
言えなかったんだよ。
今日なんだ!正式に辞令が出たの……
「葉瑠…」
ウッ、ヒックッ、ヒックッヒックッ
葉瑠の眼からは我慢してた涙が溢れだした。
「ンッ……転勤…って…グッ、どこ、行くの?」
俺の胸に顔を埋めて弱々しい声で呟くから切なくなる。
「──札幌」えっ?
そっ、んな……イヤダョ、ヒックッ、ヒックッ
「…私、を、置いて…っちゃ、うの?」
…連れて行きたいよ!
でもそれを言ったら葉瑠は困るだろ?
すげ~悩むに決まってる。
「とりあえず………俺一人で…行ってみるよ」
「グスッ……………!!」
葉瑠が任された仕事はまだ始まったばかりだろ?
そんなすぐに投げ出すような事したら会社の信用もなくなるから…
だから…
俺一人で行こうと思う。