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秘密のキスは蜜の味【完結】
第27章 愛すればこそ②……
ウッ、ヒックッ、ヒックッ

「帰って…来れる、の?」

「帰って来るさもちろん、でもいつまでとは…」
今はまだいつまでとは…ハッキリ言えないんだよ!

「なっ、んで…鏡也くっ…なの?やっと近くに、いられるよぅに…なったのに…」


札幌支店はさ…経営不振で閉鎖寸前までいったんだよ……

でもね…そこは学校や施設でミニコンサートを開いたり音楽教室とかも力入れてずっとやってたから、是非残してほしいって地元の要望が強くて……

ほら俺の会社はクラシックを扱う会社だろ?
今時の子供達がクラシックなんて触れ合う機会少ないからさ……

今じゃ、子供達が楽しみにしてるんだよ。

最初はつまんなそうな子供達も目の前で聴くと引き込まれちゃってさ…

そんなの見ると周りの大人もすげ~んだ、張り切って。

なんとか再建出来るようにみんな一生懸命で…
こっちから交代で札幌行って駆けずり回ってさ、漸くなんとか続けられそうな所まで来たんだ。

起動に乗るまでは誰かが行かなきゃいけない!

俺以外はみんな妻子持ちだから簡単には行けないんだよ。

「鏡也君…は…私と、また、遠距離になって…寂しくないの?」

「バカッ…寂しいに決まってるだろ」

北海道だぞ!
電車に乗ってって訳にはいかなくなる。

逢いたくても前のようには逢えないし、それに俺が居なくなったら、葉瑠を誰かに取られちゃうんじゃないかって不安でしょうがないけど……

でも、仕事だから…上からの指示があれば従わなきゃいけないだろ?

ヒック…ヒック…ウエッ…

葉瑠が俺の胸で……声を殺して泣くんだよ。

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