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秘密のキスは蜜の味【完結】
第27章 愛すればこそ②……
元気づけてやらなきゃいけないのに、泣かしてどうすんだよ……
俺は札幌でひとりでやっていけんのか?
こんなに大事な葉瑠を置いて行こうとしてるんだぞ
ほんとにこれでいいのか……
葉瑠の手前必死に強い男を装ってるだけで、寂しくて仕方ないのは俺の方かもしれない。
これからどうすれば俺達は安心出来るんだろ……
葉瑠を抱きしめながらそんな事を考えていた。
「鏡也君…?…」
「………ん?」
葉瑠が俺の頬を両手で包んでくる!
「私、鏡也君を待ってても…いい?」
葉瑠……
「……グッ……は、る…」一瞬言葉が出て来なくなった……
「ダメ、なの?…」恥ずかしいけど俺は首を横に振ることしか出来なかった。
「鏡也君…泣いてるの?」
「…バカっ…なっ泣いてるわけないだろ」
だって!
「ぐっ、鏡也、君?…」
情けないとこを見せたくなくて俺は葉瑠を力一杯抱きしめた…
ほんとは葉瑠に待っててほしいってずっと言いたかった。……けどそんなこと言っちゃいけないと思って言えなかったのに…
「待ってる。待ってる、から…」
「葉瑠…いいの?待っててくれんの?」
葉瑠…待ってて!早く起動にのせて帰ってくるから
うん…コクコク
「…近くにいなくても、俺達は今までと変わらないよ。電話もやメールもいつでもしていいからな」
じゃメールする。声、聞いたら泣いちゃぅ……から
「葉瑠、ほらっもう泣かない!これからいいとこ連れてってやるから、そんな泣いたらもっと眼が腫れるぞ」
「いいとこって?」
「それはヒミツ」