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秘密のキスは蜜の味【完結】
第29章 私たちの場所

洋子さん、ヒロちゃんありがとう!

良かった洋子さんとヒロちゃんが来てくれて…身体が鉛のように重たくなって動けなかったの…

ヒロちゃんの車に乗せられて、窓に凭れて外の景色をぼんやりと眺めていた。

……ウッ……ダメだ。また泣けてきた!
だって、車内から鏡也君と出掛けた時に聴いた曲が流れてきたから


「うちに来ない?」
洋子さんが誘ってくれたけど

ううん……今はひとりになりたい。

「大丈夫?」うん……ありがとう!


ガチャ……

「はぁ~」とうとう一人になっちゃった。
そう思ったら急に虚無感が襲ってくる。

部屋の隅には鏡也君が置いていった段ボール。


何もする気がおきなくて鏡也君の部屋着を被ってベットに転がった。

鏡也君の匂いがする。

そのまま眼を閉じると大きな腕に抱きしめられてるような錯覚になる……グスッ─


私はそのまま深い眠りに落ちていった!


──//
♪♪~♪──ん?はっ!
携帯の着信音にビックリして飛び起きた。

ピッ「鏡也君!……グスッ……」

「葉瑠?ちゃんと帰れた?」グスッ…コクコク

「もしかしてまだ泣いてんの?」
ブンブン

いつまでもが泣いてたら鏡也君を困らせちゃう!
これからはしっかりするって…宣言したのに─

「ごめんね!もう、泣かないから」

ヒロちゃん達と会えたか?って!

うん。ありがとう…
ひとりじゃ、やっぱりムリだった…アハハ…

精一杯の笑顔で笑ってみる。


「…鏡也君…お家、着いたの?」

「やっぱり古いアパートだったよ安いはずだ」
─そんなに?

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